1.基本方針を公表する目的
瀬戸内海病院(以下、当院)は、「患者さんに安心して戴くことが私たちの使命です。」を基本理念に掲げ、以下の3つのことを実行し、地域や患者さんから信頼される病院作りに努めています。
① 患者さんの人権と意思を最大限尊重し、納得と同意に基づいた全人医療を目指します。
② 日々自己研鑽に励み、人間的技術的に医療の質の向上を計り、安全で質の高い開かれた医療を提供します。
③ 専門的な総合医療を行うとともに、地域に密着した温かみのある医療を心掛けます。
基本理念に沿った医療を持続的に提供するためには、その医療を支える職員が、誇りをもって活躍し、尊厳が保たれていることが不可欠で、患者さんとの信頼関係が何よりの基盤となります。
日頃より当院をご利用いただく患者(家族)さんからは、貴重なご意見をいただき、日々ありがたく参考にさせて頂いております。その一方で、ごくわずかではありますが、職員に対する誹謗中傷や自己中心的で理不尽な要求や悪質なクレームなどの迷惑行為が見受けられます。そのような行為から職員を守ることも持続的に医療を提供するためには不可欠と考え、「カスタマーハラスメントに対する基本方針」を公開いたしました。
2.カスタマーハラスメントについて
厚生労働省発行の「カスタマーハラスメント対策企業マニュアル」によると、カスタマーハラスメントとは「顧客からのクレーム・言動のうち、当該クレーム・言動の要求の内容の妥当性に照らして、当該要求を実現するための手段・態様が社会通念上不相当なものであって、当該手段・態様により、労働者の就業環境が害されるもの」と定義されています。
3.対象となる行為
① 他の患者さんや職員への暴力行為、セクシャルハラスメント、ストーカー行為。
② 大声、暴言または脅迫的な言動により、他の患者さんに迷惑を及ぼす、あるいは職員の業務を妨げること。
③ 解決しがたい要求を繰り返し、長時間にわたり職員を拘束し職員の業務を妨げること。
④ 医療従事者の指示に従わないこと(敷地内禁煙等)。
⑤ 院内の機器類の無断使用、持ち出し、または建物設備等を故意に破損すること。
⑥ 病院側の了承を得ず撮影や録音すること。
⑦ その他、医療に支障をきたす迷惑行為。
4.カスタマーハラスメントへの当院の対応
① 複数名で対応し、院内での情報共有や記録化、上層部への報告・相談等を組織的に行います。
② 当事者(患者・家族さん等)と医療従事者との信頼関係が損なわれ、適切な医療の存続が困難と当院が判断した場合には
新たな診療には答えられません。また当該行為が特に悪質であると判断した場合には、退去(退院)を命じることがあり
ます。
③ 応じていただけない場合は、警察への通報、介入を依頼します。更に弁護士への相談など、法的な手段をとる場合もあり
ます。
5.カスタマーハラスメントに対する当院における取り組み
当院では職員向けに以下の取り組みを実施しております。
① カスタマーハラスメントに関する知識・対処方法についての研修。
② カスタマーハラスメント発生時の対応体制の構築。
③ カスタマーハラスメント被害にあった職員のケア。
④ より厳格に対応するために警察・弁護士等との連携。
6.患者(家族)さんへのお願い
当院では、全ての患者(家族)さんとの信頼関係の構築を第一に考え、安全に、安心して医療を受けていただけるように努めて参ります。引き続き、ご理解とご協力のほど、よろしくお願いいたします。
2025年6月12日作成